トーションビームとマルチリンク [ゴルフⅦ]
新型ゴルフⅦコンフォートラインのリアサスに、トーションビーム(トレーリングアーム)方式が採用されたことが気になる今日この頃ですが、リアサスについてちょっと勉強してみました。
まず、初代ゴルフ~ゴルフⅣまで採用されたトーションビーム(トレーリングアーム)方式。
ゴルフの誕生以降、数多くの自動車メーカーが追従し採用することになり、現代でも多くのFF車にとってスタンダードなサスペンションです。
前後に伸びたアーム(トレーリングアーム)を、左右に結んだトーションビーム(捻れる梁)によってつなぎ、左右のタイヤがある程度独立してストロークすることを可能にしています。
特徴は、サスペンションの横方向に対する剛性が高いばかりでなく、上下ストロークによるタイヤと接地面とのギャップが少なく、常にリアタイヤを適切に接地させ高速域における高いスタビリティを実現しています。
さらには、他のサスペンション方式に比べ部品点数が少なく、サスペンションの可動部分が少ないことから、サスペンション全体のフリクションを大幅に軽減することを可能にしています。
(↑写真はゴルフⅣ)
難点としては、タイヤの前後方向の入力に対するショックを、トレーリングアーム・ブッシュによって吸収せざるを得ない点で、乗り心地を優先してブッシュを柔らかくし過ぎると挙動が不安定になってしまいます。
そのため、走行安定性と乗り心地をはじめとする快適性能との両立は構造的に難しい面を合わせ持っているようです。
それでは、ゴルフⅤから採用されたマルチリンク(4リンク)方式はどうなのでしょう?
見るからに、構造が複雑になっているのがわかりますね
特徴としては、サスペンションに対する入力を、前後左右にほぼ完全に独立して受け止める、4本のリンク(トレーリングアーム、アッパーリンク、ロアリンク、トラックロッド)によって構成されている点です。その結果、トレーリングアーム・ブッシュに、非常にソフトでボリュームのある素材を使うことが可能になるようです。これは、乗り心地に大いに影響しそうですね。
また、横方向の入力はロワーリンクとアッパーリンク及びトラックロッドによって分担されるので、優れた走行安定性を実現させているようです。
その他、諸々難しいことは置いておいて・・・
マルチリンク(4リンク)方式のゴルフⅤでは、歴代ゴルフの高い走行安定性をさらに向上させるとともに、1クラス上のDセグメント並に優れた快適性を実現させ、非常に高いレベルで二律背反する性能を両立させているそうです
難点としては、構造も複雑で部品点数も格段に多くなるので、やはりコストは高くつくようです。
(↑写真はゴルフⅤ)
以上、とっても駆け足なレポートでしたが、言われてみるとザ・ビートルのしまりのある足周りと、同じプラットフォームを採用しながら、それよりは若干ソフトでしなやかなゴルフの乗り味の違いに納得です。
トーションビーム(トレーリングアーム)方式が若干硬めの印象なのは、ブッシュにそこまで柔らかい素材を使えないからなのですね。乗り心地を重視してそれをやってしまうと、某国産コンパクトカーのようなフワフワした乗り心地になってしまうのかな?
やっぱり、ゴルフはマルチリンク(4リンク)が良いな~・・・と思ったおかけんでした
乗り心地 という面では、
一番重要な部分ですよね。
POLOの場合、地面のテクスチャーがけっこうダイレクトに伝わってきます。
これは逆に、走っている という感覚で心地よかったりもします。
仕事で、高齢者の送迎をしていますが
アクセル ブレーキにはかなり気を遣いますね。
なるべく滑るように走らせたいと努力しています。
by nakanishi (2013-04-25 13:45)
nakanishiさん。
トレーリングアーム式は、ポロの走りのキャラクターには非常に合っていると思います。左右のトレーリングアームが、しっかりしたトーションビームで固められているわけですから、安定感という点では有利な点も多いのではないでしょうか?
同じトレーリングアーム式を採用する国産コンパクトカーの場合、もっとソフト方向への味付けがされていることが多く、路面とのコンタクト感が曖昧なことも多いですよね。
いずれにしましても、ポロの走りは私も大好きです。
高齢者の方の送迎は、神経を使いそうですね。
周りの交通状況を予測判断しつつ、急な操作はできるだけ控える運転が必要そうですね。
by おかけん (2013-04-25 19:04)
実はⅤに乗るまでずーっと
トレーリングアームユーザーだったんです。
ポルシェ944・ゴルフⅢ・ゴルフⅣ。
合計18年も乗ってたんですね(笑
因みに944のトレーリングアームは
トーションビームのスプラインで
基準車高がわりと簡単に調節できたりします。
見た目は凄く簡素でした。
by あらんふろすと (2013-04-26 04:05)
あらんふろすとさん。
私も同じく、ずっとトレーリングアームでした。(笑)
944とは、これまた羨ましいです!
基準車高の調整なんかもできるんですね。知りませんでした。
ただ、実際に維持するのはいろいろとご苦労もあったのでしょうね。
私の知り合いでも、ポルシェを長く所有された方が少ないので・・・。
比較的シンプルで剛性感も強いトレーリングアーム式は、スポーツカーには向いているのかもしれませんね。
by おかけん (2013-04-26 07:50)
初めてコメントさせていただきます。
この20年、ゴルフ3⇒ポロ(9N)⇒ゴルフ2(RV)とずっとトレーリングアームに乗っています(笑
ゴルフ3に乗っている時に5を試乗した時いろんな進化にびっくりしましたが、一番はリアサスがよく動くというか、とても上質になっていて感動しました。
家族クルマのプレマシー(CREW)を買う時にも、同クラスの当時のライバル(トレーリングアーム)との差をはっきり感じました。プレマシーだけがマルチリンクと知ったのは後日ですから、先入観なしです。
これだけ長くトレーリングアームに付き合ってますので、もちろん相性が合ってるからなんですが、最新のゴルフの方向性を考えると、メーカーがなぜトレーリングアーム仕様を設定したのかちょっと不思議な感じがします。
by 19RV (2013-04-26 20:34)
知人がゴルフⅥコンフォートラインを購入しまして、先日納車されました。
輸入車は初めてで信頼性を気にしていたので、熟成された最終モデルを選択したのは正解だったかなと思います。
今回のリアサスの記事を見ますと、更に良い選択であったと確信しております。。。
ただ、路面に張り付くような剛性感は、トレーリングアームのほうが強いような気もしますが。。。
by kenken (2013-04-27 01:29)
19RVさん。
コメント頂きありがとうございます。VW乗りの大先輩でいらっしゃるのですね!
2代目プレマシーからリアはマルチリンクなんですね。
おっしゃる通り、コンパクトミニバンクラスでマルチリンクを採用しているのは、他に見あたらないですね。
私も以前ファミリアSワゴンに乗っていたので、初代アクセラがマルチリンクを採用したときには、「凄いな~ぁ!」と思いました。本気でアクセラが欲しくて、カタログ&HPを毎日のように眺めてました。
当時、アクセラはゴルフⅣを相当意識して作られたようでして、幕張で行われた先行体験試乗では、比較対象としてゴルフⅣが用意されていました。
この時点ではアクセラが一歩リードしていた部分もあるようですが、その後に登場したゴルフⅤで再び追い越されてしまいましたね。
さて、ゴルフⅦの1.2でトレーリングアームが採用された理由ですが、やはりコストダウン以外の何ものでもないように思います。
確かに、それ以外の装備面は充実させつつ価格UPは最小限に抑えている訳で、その企業努力は評価したいですが、1.2TSIが気に入っている私としては残念です。
トヨタがオーリスで同じような手法を使ったので、VWがそれを真似てしまったのでしょうか?(涙)
by おかけん (2013-04-27 11:01)
kenkenさん。
ゴルフⅥコンフォートラインと、Ⅶコンフォートラインのどちらかという選択は、正直悩ましいですね。
新型、スタイリッシュなデザイン、数々の最新装備、高品質なインテリア、燃費、静粛性etc.という点では圧倒的にⅦに軍配があがるわけですが、リアサスの問題も含めてその走りは未知数のものがあります。
もちろん、VWのことですから悪いはずはないと思いますが、微妙な差違は出てくるでしょうね。
おっしゃる通り、知人の方の選択は悪くなかったと私も思います!
昨日、Ⅵコンフォートラインのマイスターエディションと信号待ちでお隣になりましたが、とっても格好良かったです。
トレーリングアーム式ですが、やはりサスの可動部分が少ないということもあり、比較的フラットな路面の場合は安定感は高いと思います。
by おかけん (2013-04-27 11:18)
ようやく今、レポートかけました。(苦
ここの所更新していないせいで
ブログの書き方忘れてます(爆
とりあえずブログの補足情報として来年ハイブリットと電気が出る事と
ディーゼルは申請はしているものの、採算ベースで入ってくるかは
未だ分からないと言う話でした。
あ、あと車高2.5センチ下がってるんですね。
車高が低くなって精悍さが増してます。ヤバイほしくなってきました(笑
by あらんふろすと (2013-04-27 19:24)
あらんふろすとさん。
速攻レポート、ありがとうございます!!!
非常に、興味深く拝見させて頂きました。
ディーゼルは、他メーカーの躍進ぶりを見るとやがては導入せざるを得ないように思いますが、いかがでしょうか?
おっしゃる通り、よりロー&ワイドになったスタイリングはカッコイイですよね!
by おかけん (2013-04-28 11:28)
どうも販売台数で決まるようですね。
対応ししてくれた六本木店の部長の話では
現在tsiの燃費が良い為
年間30000km以上走る人でようやく元が
(購入差額が)取れる様な金額なので
導入が難しいとの話でした。
正直、燃費対比で行けば、来年出るハイブリットの
方が良いのではとの事。
因みにエコを前面に打ち出した戦略からか
ツインチャージャーに関してはパサードより上の
車種に移行されてゴルフには今の所予定が無いそうです。
でも、正直ラインナップ上、ツインチャージャー欲しいと
言ってました。何だかんだ言っても170ps、
営業にとっても大きな武器になるそうです。
個人的にはディーゼル、凄く興味あるのですが。
(そもそもⅣの時から待っていた)
by あらんふろすと (2013-04-29 13:42)
あらんふろすとさん。
TDIの導入は、已然ハードルが高そうなのですね。
ディーゼルを選ぶかたは、燃費よりその走りに惹かれると思うのですが・・・。
価格的には、本国ではガソリン車よりプラス20万円くらいですので、きっとHVより価格は安いですよね。
GT-TSIが積む170PS版のツインチャージャーは、やっぱりもの凄い魅力です!
私が運転したのは試乗車とロボコン先生号の2回だけですが、あの気持ちよさは忘れられません。(笑)
by おかけん (2013-04-29 22:06)
今回はおかけんさんの更新速度が速過ぎてコメントのスピードが追いつきませんでした(苦笑)
個人的には嬉しい更新速度ではありますが、久しぶりにホンダフィットを代車で借りたときに感じたのはトレーリングアーム特有の足が突っ張ったような乗り心地はマルチリンクには無い感じですので、やはりコストダウンは構造以上に感じてしまいます。
DSGが湿式から乾式7速になったのもコストダウンという目に見えない体感的な物に近いものを感じてしまいますね。
何故ならば、上級クラスがDSG湿式(GTI等)足回りは4リンク!
ベース車クラスはDSG乾式、トレーリングアーム!この差は見えない部分でのコストダウン以外の何者でもないと感じております。
やはり、数年待って購入するのがベストかなと最近考えが変わりつつありますね。
果報は寝て待て!ですかね(笑)
by Аким (2013-05-07 00:57)
Акимさん。
いつもコメント頂きありがとうございます。
どうぞ、気が向いたときで結構ですので、気ままにコメント下されば嬉しいです。(笑)
DSGについては、乾式のほうがコンパクトに作れることと、効率面では有利な部分もあるようです。乾式7速が出た当時は、圧倒的に湿式6速よりもスムーズに感じた印象があります。GTIに搭載されないのは、乾式の許容トルクが低いためでして、やがてはそれも改善されてハイパワー車用の乾式DSGも出てくると思います。既に、ポロGTIはこの乾式7速ですから。
もしかしたら、新型ゴルフではⅤのときのTSIやDSGのように、モデル途中での新技術投入が目白押しかもしれませんね。予想されるだけでも、ハイブリッドやEVがありますから・・・。
私としては、ゴルフが目標以上に売れて利益が出始めて、「面倒だから全車リアサスは4リンクにしちゃえ!」なんてことになると嬉しいです。(笑)
by おかけん (2013-05-07 09:01)
はじめまして
ゴルフのサスペンションについて勉強していてたどり着きました
7代目1.2のトレーリングアームと1.4の4リンク、どっちがいいんだろう?
構造的に応力分散のしやすい4リンクの方が優れてそうなものなのに
評論家の方々の声を拾ってみると意外や意外
古臭く、低コストな形式の方のツイストビームを採用しているコンフォートラインの方に高評価を出してます
CG9月号では操縦安定と乗り心地、相反する要素の2項目で
コンフォートラインに軍配を上げてます
そして
>トレーリングアームという古い形式のサスペンションでここまでの乗り心地を達成したVWの技術力にはだつぼうである。
という評価をしてます
テレビ版の方でもしなやかさはコンフォートの方がいいと・・・・
おかけんサンはどう受け取られましたでしょうか?
by べり (2013-08-08 21:10)
べりさん。
このサスの問題は、難しいところですね。
普通に考えて、4リンクが乗り心地に優れていることは間違いないのですが、今回のゴルフの場合はハイラインが17インチを履いていることが、評価の分かれ目に繋がっているのかもしれません。
もし、ハイラインに16インチを履いたモデルがあったら、コンフォートラインとの違いがはっきりしてくると思います。
ただ、トレーリングアームの仕上がりも高いレベルであることは、間違いなさそうですね。
by おかけん (2013-08-09 08:54)
ベリさん、こんにちは。CG誌では1.2モデルの一見旧式のトレーリングアーム(U字型のセミ独立・リジット、スタビライザー的)サスのまとめ上げ
を称賛する記事でしたね。
僕もずっと前に、現行ザ・ビートル1.2の最初期導入から、
「これ普通に乗っててすごいんじゃないか?」と感じてました。
スペック、アームやビーム、ブッシュの多数よりも、煮詰めた足回りが
勝ると思います。旧い私のようなスペックおたくや、省エネも・・・・いいけど車は走って操ってナンボのアナログオヤジ世代は、昔の満艦飾BCLラジオやラジカセに少年時代を翻弄された刷り込みもあって・・・・・。
自分のゴルフⅤには、サス・ダンパー、ボディダンパー、リジカラ、ストラットバー、TPST、センターラダーフレーム他様々なご神託?パーツのてんこ盛りになってしまいました。年寄りの病院通いの薬漬けみたいなもんです。普通のすっきり素のままのキレイな状態とかけ離れてしまってます。昭和世代です・・・・・。(笑)普段はおとなしく、こっそりですが、ガンガン加減速、切れ込みを味わったりする刹那的なこともあります。
ベースモデルがいいから、生活の足にもなる。GTIやRS?みたいなホットモデルも素晴らしい。ゴルフⅦの凄さですね♪
(おかけんさん~ブラックパーツも装着してみてね~!)
by ロボコン先生 (2013-08-09 21:54)
ロボコン先生さん。
1.2の仕上がり、非常に気になるところです。本当に早く試乗してみたいですね。
>おかけんさん~ブラックパーツも装着してみてね~!
すみませ~ん!(大汗)
しばらくはお休みが取れない状況でして、秋以降になるかもしれません。
さらに、カーテシの配線で07以降とは多少異なる部分があるようでして、追加調査が必要のようです。
なかなか、宿題ができなくて本当に申し訳ありません。
by おかけん (2013-08-11 08:17)
おかけんサン、貴ブログ・コメ欄を会議室化しちゃったようで恐縮です
(^^;)
タイヤサイズ、同意です なんてったって2リットルターボのGTIと同じサイズですもんね(225/45/R17)
1.4を除き、2世代前のⅤのリアサス形式に戻してなおかつ乗り心地が良好なのはすごいことだと思います
フロントサスなんてダブルウィッシュボーンが流行ったことがありましたが、メルセデスやボルボだって未だにマクファーソンストラット捨ててませんし、ロボコン先生が指摘されてるようにサスペンションの煮詰めって
意味ががあるだなあと思いました
ま、百聞は一見にしかず
百見は一試乗にしかず(笑)
試乗してみたい気持ちが湧き上がってきます
by べり (2013-08-11 21:05)
べりさん。
どうぞどうぞ、当ブログが情報交換の場としてお役に立つのでしたら、どんどん利用して下さい。
Ⅴのリアサスは4リンクですので、Ⅳの3世代前!に戻ったことになりますね。(笑)
とはいえ、相当出来がよいようですから、私も試乗するのが楽しみです。
早く乗ってみたいな~ぁ。
by おかけん (2013-08-12 22:22)